書評
「脳の機能解剖と画像診断」―真柳佳昭●訳
中野 今治
1
1自治医科大学神経内科学
pp.102
発行日 2009年1月1日
Published Date 2009/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416100420
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本書は『脳の機能解剖と画像診断』と命名されている。脳の図譜とそれに対応する脳画像(主としてMRI)が見開き2頁で見やすく提示されている。
しかし,本書は画像診断のための単なるアトラスではない。「最新の画像診断機器は患者にとって不利益ともなり,危険ともなりうる」(p1)。そのとおりである。このような記載は脳画像の他書にはみられない。「画像診断によって一目瞭然な病的所見が,いつも臨床症状を起こしている原因とは限らない。画像上の病理所見と臨床症状とを関連付けるには,機能局在に関する神経解剖学の知識が必要である」(p1)。全面的に賛成である。本書は画像の書であるが,神経学の基本的考えで裏打ちされている希有な書である。
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