糖尿病患者の口腔健康管理 はじめの一歩・2
口元を気になさっていませんか?
髙野 直久
1,2
1(公社)日本歯科医師会
2髙野歯科医院
pp.164-166
発行日 2017年2月15日
Published Date 2017/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415200616
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患者さんから情報を得るのはどこか
どのような診療科であろうとも,受付を通さずにいきなり診察室で診ることは,緊急時あるいは搬送などによる場合でもない限りほとんどないと思われます.診察室で診る前に,必ずといった状況で,医療職でない方々が,診察を望まれて来院した患者と目を合わせて会話をしています.初診であれば,問診票や受付の方から「今日はどうなさいましたか?」あるいは「診察をお受けになりますか?」など,来院目的と主訴に近いお困りごとや気になることを聞き出しています.歯科医院ならば,来院された患者は「歯が痛くて」,「歯肉が腫れて」あるいは「血の味がして」など,医療機関に掲げられている診療分野について,話されるはずです.つまり内科の医療機関に行かれて,お口のトラブルについて,進んで話す方はいないはずです.内科だけでなく,眼科に行かれても同じはずです.
ここで,初診でなく,再診の場合でしたらどうでしょうか? 事務的な対応での会話のみです.しかし,もしもかかりつけ医のところに再来されている方であれば,受付の場において,気づくこともあるのではないでしょうか.口元を押さえたり,自然とお口に手が近づく状態はほとんどの場合,口臭を気にされているか,歯並びを気にされている状況です.お口に問題があるとの推測が,この時点で疑えるようになったら,すばらしい受付担当ですが,誰も彼にも望むことはできません.しかし,重症化した歯周病患者では多くの場合,口臭が強めに出ており,ガラスで仕切られた受付でもなければ,気づかないことはないように思われます.せめて,日頃と違った態度を垣間見たならば,お声かけをしてみていただきたいと思います.
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