『糖尿病診療マスター』通巻100号記念座談会
糖尿病診療はどこに向かっているのか?—Ⅱ.残された課題と新たな課題
赤井 裕輝
1
,
内潟 安子
2
,
𠮷岡 成人
3
,
中塔 辰明
4
1東北医科薬科大学内科学第二(糖尿病代謝内科学)教室
2東京女子医科大学糖尿病センター
3NTT東日本札幌病院糖尿病内分泌内科
4岡山済生会総合病院糖尿病センター
pp.801-807
発行日 2016年10月15日
Published Date 2016/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415200525
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糖尿病診療—残された課題
中塔 第Ⅰ部では,糖尿病の進歩を振り返りながらこれまでに変わったこと——解決された課題についてお話しいただきました.ここからは,糖尿病診療における残された課題について話を進めたいと思います.
課題を考えるうえで,スライドを用意させていただきました(表1,図1).これは,当院で10年前から連携診療をしている方の経過104例です.当初HbA1cが7.2%で,半年に1回,当院とかかりつけで診ていて,現在7.3%ぐらいです.10年経って「変わっていないからいいのかな?」と思っていたのですが,これを「うまくいっている」と言ってよいのか,目標の7%には達していないので「不十分なまま推移している」と言ったほうがよいのでしょうか.10年間で薬物治療が進歩し,患者さん方も薬剤を変えたり加えたりしているのですが,あまり変化はありません.薬物治療の限界なのか,あるいは薬物治療の問題だけではないのか等々,この数字を見ながらいろいろ考えたものですから,提示させていただきました.
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