Perspective◆展望
必要に迫られて,進歩していくインスリン製剤
内潟 安子
1
1東京女子医科大学 糖尿病センター
pp.327-328
発行日 2016年5月15日
Published Date 2016/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415200407
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2015年度も,また日本の研究者お二人がノーベル賞を受賞された.日本人としてうれしい限りである.「ノーベル賞受賞者は湯川英樹博士」と学校で勉強した筆者は,ノーベル賞というのは,遠い遠い存在と感じていた.高嶺の花も,遠い存在,手の届かない存在の喩えであるが,この比ではなく,もっともっと手の届かないものとして認識されていた.たぶん,われわれより上の年代は皆そうであったろうと思う.1980年代に米国の国立衛生研究所(NIH)で4年くらい研究生活を送っていたが,何人ものノーベル賞受賞者が普段着のジーンズ姿でカフェテリアでまわりの若者と談笑しながら食事している風景をよくみかけた.米国では,ノーベル賞は身近なものなんだと感じた.日本とは違うのだ,と.
ところが,ノーベル賞が毎年のように日本人に受賞される昨今となると,「また!?,ノーベル賞を受賞されたのね」という気持ちにもなる.ノーベル賞自体が,なんだか,身近な親しみを感じてしまう.
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