こんな時どうする!? 糖尿病患者によくみられる皮膚症状
脂漏性湿疹
清 佳浩
1
,
末木 博彦
2
1帝京大学医学部附属溝口病院 皮膚科
2昭和大学医学部皮膚科学講座
pp.217-219
発行日 2016年3月15日
Published Date 2016/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415200375
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■内科医からのQuestion
「顔面,頭部に紅斑がみられますが,どうしたらよいでしょうか」
症例
患者:42歳,男性.
病歴:数年前から頭部のフケ,顔面の紅斑に気づいた.顔面正中の紅斑や頭部のフケが次第に悪化してきたため来院.
現症:頭部〜顔面にかけて比較的境界明瞭でやや脂っぽい鱗屑をわずかに付す紅斑が左右対称に認められた(図1).
検査所見:血液検査,生化学的検査,抗核抗体,IgE検査に異常はない.
■皮膚科医からのAnswer
「脂漏性湿疹だと思われます.脂漏性湿疹はHIV感染患者に最も多く認められる皮膚疾患です.パーキンソン病などの神経疾患やアルコール依存症,肥満につながる内分泌疾患でも高率に発症します.したがって,皮疹が重篤な場合は皮膚科医に相談することが必要です.また,疾患が長期に持続するため,安易なステロイドの外用には注意が必要です」
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