特集 糖尿病は回復するだろうか Part 1—膵β細胞機能はもとにもどせるか
膵β細胞を高血糖毒性から保護する治療法
金藤 秀明
1
1川崎医科大学 糖尿病・代謝・内分泌内科
キーワード:
インスリン療法
,
インクレチン製剤
,
SGLT2阻害薬
Keyword:
インスリン療法
,
インクレチン製剤
,
SGLT2阻害薬
pp.786-790
発行日 2015年10月15日
Published Date 2015/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415200252
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
POINT
・糖尿病状態において膵β細胞が慢性的に高血糖にさらされると,β細胞機能はさらに低下する.この現象は高血糖毒性(ブドウ糖毒性)として広く知られている.
・膵β細胞を高血糖毒性から保護するためには,インスリン療法を最後の手段として温存しておくのではなく,早期に導入することが重要である.
・日本人の2型糖尿病症例の場合,インクレチン製剤が適している場合が多いが,膵β細胞が高血糖毒性などのために障害されている場合にはその効果が乏しくなるので,早期に使用することが重要である.
・SGLT2阻害薬は,適正使用はもちろん重要であるが,高血糖毒性を解除させる手段としてはきわめて有用なので,適している症例を的確に選び使用していくことが重要である.
Copyright © 2015, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.