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特集 糖尿病患者の健康寿命を延ばす―先手を打つ実臨床
Ⅰ癌で手遅れにしないために
糖尿病患者における消化器癌の動向
Digestive cancer in patients with diabetes
正宗 淳
1
,
中野 絵里子
1
,
下瀬川 徹
1
1東北大学大学院消化器病態学分野
キーワード:
疫学研究
,
メタ解析
,
膵癌
,
insulin-like growth factor 1
,
メトホルミン
Keyword:
疫学研究
,
メタ解析
,
膵癌
,
insulin-like growth factor 1
,
メトホルミン
pp.468-471
発行日 2013年7月15日
Published Date 2013/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415101547
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はじめに
日本糖尿病学会のアンケート調査によると,1980年代までは糖尿病患者の死因第1位は血管障害(糖尿病性腎症,虚血性心疾患,脳血管障害),第2位は癌であったが,1990年代以降は癌が34.1%を占め,第1位となっている1).癌と糖尿病は,その発症と予後に生活習慣の影響を受ける疾患であり,肥満・喫煙・運動不足などは両者ともに確実なリスク要因である.糖尿病患者における癌の動向を考える場合には,①糖尿病が癌発生のリスクファクターであるか,②癌の存在により糖尿病の発症や血糖コントロールの悪化を認めるか,の二面性があることを念頭に置く必要がある.さらに,糖尿病治療薬が癌のリスクに与える影響も注目されている.本稿では糖尿病と消化器癌の関連につき,これらの点をふまえて概説する.
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