特集 Brush Up! CDE Caseで学ぶインクレチン
Ⅱ各論
DPP-4阻害薬の使い方
大塚 雄一郎
1
,
中崎 満浩
1
,
石原 寿光
1
1日本大学医学部 糖尿病代謝内科
キーワード:
①インクレチン
,
②グルカゴン
,
③DPP-4阻害薬
,
④併用薬
Keyword:
①インクレチン
,
②グルカゴン
,
③DPP-4阻害薬
,
④併用薬
pp.231-236
発行日 2013年4月15日
Published Date 2013/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415101492
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
DPP-4阻害薬の概要
DPP-4阻害薬は,DPP-4に結合することによってインクレチンの分解を抑制し,インクレチン作用を増強する働きがある.日本では2009年12月にシタグリプチン(ジャヌビア®,グラクティブ®)が発売され,以後ビルダグリプチン(エクア®),アログリプチン(ネシーナ®),リナグリプチン(トラゼンタ®),テネリグリプチン(テネリア®),アナグリプチン(スイニー®)が発売され,2013年2月現在,6剤が使用可能である.
DPP-4阻害薬の血糖降下作用は,メタ解析によると単剤でHbA1cを0.5~1.0%低下させる1),また血糖値依存性のインスリン分泌促進・グルカゴン分泌抑制作用により,食後血糖上昇を抑制する2).さらに,食後血糖値の改善に応じて空腹時血糖値も改善すると考えられる.GLP-1は心血管系にも作用することが知られており,DPP-4阻害薬にもその作用が期待されている.メタ解析の結果では,DPP-4阻害薬と他の糖尿病薬あるいはプラセボとの比較で,心血管イベントのハザード比0.48で,52%のリスク減少が示されている3).
Copyright © 2013, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.