Japanese
English
特集 脳・心・腎連関を見逃さない
Ⅱ脳・心・腎連関各論
CASE-J研究から見る高血圧治療と糖尿病
Antihypertensive treatment and diabetes mellitus:from the results of the CASE-J study
保野 慎治
1
,
藤本 明
1
,
上嶋 健治
1
,
荻原 俊男
2
1京都大学大学院 医学研究科EBM研究センター
2森ノ宮医療大学
キーワード:
①hypertension
,
angiotensin II receptor blocker
,
②calcium channel blocker
,
③cardiovascular events
,
④new-onset diabetes
Keyword:
①hypertension
,
angiotensin II receptor blocker
,
②calcium channel blocker
,
③cardiovascular events
,
④new-onset diabetes
pp.339-344
発行日 2012年5月15日
Published Date 2012/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415101359
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はじめに
Candesartan Antihypertensive Survival Evaluation in Japan(CASE-J)試験は,日本人ハイリスク高血圧患者を対象に,アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)であるカンデサルタンとカルシウム拮抗薬(CCB)であるアムロジピンの心血管イベント発症に対する効果を検討したランダム化比較試験であった1).主要評価項目である複合心血管イベント発症には両群間に有意な差を認めなかったが,カンデサルタンはアムロジピンと比較し,副次評価項目である糖尿病新規発症を有意に抑制し1),また,左室肥大を有意に退縮させた2).その後,観察研究としてCASE-J試験参加患者をさらに3年間追跡調査するCASE-J Extension(CASE-J Ex)が実施され3),CASE-J試験と同様に複合心血管イベント発症には両群間に有意な差を認めなかったが,カンデサルタンの糖尿病新規発症抑制効果の優越性は引き続き観察された4).
本稿では,糖尿病合併高血圧症および糖尿病新規発症抑制に関して,CASE-J試験およびCASE-J Ex試験から得られた知見を紹介する.
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