Japanese
English
Perspective●展望
何故に血糖値は大きく変動するのだろうか?
What makes the blood glucose level fluctuated sharply?
赤井 裕輝
1
1東北労災病院 糖尿病代謝センター
pp.582-583
発行日 2011年12月10日
Published Date 2011/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415101265
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本号では低血糖の話題を特集した.低血糖はよく知られているようで実は様々な誤解に包まれている.
これは最近の出来事である.SU薬治療でコントロール良好の患者が外科系の科に手術目的で入院した.脳梗塞の既往のある80歳台男性で,ふっくら体型,SU薬はグリメピリド6mg/日と高用量であった.入院時のHbA1cが6.2%であったことから,コントロール良好と主治医は警戒を解いてしまった.数日後,患者は元気がなくなり食欲低下,朝の食事は半分くらいであったが,内服薬は通常通り与薬されていた.昼は食事がむせるとのことで食止めとなり,その日の夕方,患者は意識を失い痙攣を起こした.主治医グループは抗痙攣薬を投与,頭部CTをとり,脳梗塞の疑いで脳外科のある基幹病院に搬送した.その病院の救急外来で初めて血糖値が測定され,血糖値は30mg/dL以下の重症低血糖とわかり,ブドウ糖の静注後帰院した.ブドウ糖液の点滴を続けたが,その夜は断続的に痙攣が続いたとのことである.翌日,なおも痙攣が続くためMRIを撮像,脳梗塞の疑いありとして別の脳外科病院に搬送されたが,新たな硬塞はないとの診断.その後も患者の意識は戻らないままとのことである.
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