Japanese
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手術・手技・麻酔
強化麻酔下に於ける血糖値の変動について
On the fluctuations in blood sugar levels under cocktail anesthesia
山本 文男
1
Fumio Yamamoto
1
1山口赤十字病院産婦人科
pp.707-709
発行日 1959年8月10日
Published Date 1959/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202017
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Ⅰ.はしがき
従来手術後に屡々高血糖並びに糖尿を認める事が知られていたがその原因は不明でidiopathicpostoperative hyperglycemiaと呼ばれて来た。然るにSelyeが侵襲に対する下垂体—副腎皮質系の反応,即ち副腎皮質ホルモンの過剰分泌を唱へて以来,この現象がAdrenalinによる肝糖原のGlycogenolysisによる事が解明された。以来生体に於ける血糖値の変動は,好酸球数のそれと共に,下垂体—副腎系より見た生体反応を物語る一つの場と見られるようになった。然るに近年,之等下垂体内分泌系殊に副腎系を軸として展開するSelyeのいわゆる非特異的症候群に対立して,自律神経系を介して起る非特異的症候群(いわゆるRelly現象)も又生体反応具現の場として体系づけられて来た。且つ,初期の間は,生体に対するStressの侵襲点に関して両体系の問に論争も見られたが,自律神経,内分泌系の何れをとつても,その機能に於て単独な姿を想像する事が出来ない両者の密接な関係から,現在の関心は両者を統一して,円満な像に於て生体反応を極めようとする方向に向つている。
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