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特集 いま一度 低血糖を考える
DPP-4阻害薬+SU薬で重症低血糖の起こるメカニズム
Mechanisms of hypoglycemia caused by the combined treatment DPP-4 inhibitors with sulfonylureas
山口 賢
1
,
石原 寿光
1
1日本大学 医学部内科学系糖尿病代謝内科
キーワード:
①低血糖
,
②DPP-4阻害薬
,
③SU薬
,
④インスリン
,
⑤グルカゴン
Keyword:
①低血糖
,
②DPP-4阻害薬
,
③SU薬
,
④インスリン
,
⑤グルカゴン
pp.597-601
発行日 2011年12月10日
Published Date 2011/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415101254
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インクレチン関連薬は,優れた血糖降下作用や低血糖の副作用が少ない点などから,急速に需要が広がっている.インクレチンは,経口摂取により腸管内に食事が流入した際に脂質や糖の刺激によって腸上皮から分泌され,膵β細胞に作用しインスリンを分泌させる腸管ホルモンの総称である.主なホルモンとして,下部小腸L細胞から分泌されるGLP-1(glucagon-like peptide 1)と空腸K細胞から分泌されるGIP(glucose-dependent insulinotropic polypeptide)の2つが存在する.GLP-1は血中へ分泌されたのちに,DPP-4(dipeptidyl peptidase-4)によって速やかに分解され不活性型となる.そのため,DPP-4阻害薬と,GLP-1受容体作動薬であるGLP-1アナログ製剤が臨床応用されている.DPP-4阻害薬として,2009年12月にシタグリプチンが初めて発売された.その後,SU薬服用中の患者でシタグリプチンを追加投与した際に,重篤な低血糖の報告が続いた.
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