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内分泌代謝疾患レジデントマニュアル 第3版
成田 琢磨
1
1秋田大大学院 内分泌・代謝・老年内科学
pp.551
発行日 2010年9月15日
Published Date 2010/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415101106
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医学に限らず,科学の分野はまさに日進月歩であり,しばらく前に通用していた知識,技術が日々変化していっています.われわれの日常臨床の専門分野である内分泌代謝分野についても同様で,たとえば糖尿病治療では10年くらい前は研究の一分野であったインクレチンが,日本でも昨年から一気に4種類の薬剤が市販され,糖尿病治療を大きく変えようとしています.また第3版の序に𠮷岡先生がお書きになっているように,原発性アルドステロン症の診断の進歩や,実はありふれた疾患であることの再認識,メタボリックシンドロームのクローズアップ,アクロメガリーの治療薬の進歩,エプレレノンの登場など内科的にここ数年,内分泌代謝疾患の診断治療のパラダイム変化が急激に起きてきています.またこれも𠮷岡先生が書いておられますが,内分泌代謝疾患は決してまれなものでなく,他の分野の診療でも,たとえば糖尿病は避けて通れないし,電解質異常を的確に補正するにも原因として内分泌疾患を正確に鑑別しないと治療効果が上がらない,また頻脈・不整脈の背景に甲状腺機能異常がかなりの割合で潜み,見逃されると後で大変です.また特異的な症状を出さない場合が多く,常に内分泌代謝疾患を種々の病態の背景疾患として考えないといけないことを,いろいろな分野の先生方に認識してもらう必要があります.
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