Japanese
English
特集 糖尿病の病態を「見える化」してみる―どこまでわかりやすくできるか―
血糖値の可視化を考える
Pathogenesis visualization for comprehension of blood glucose regulation
浦風 雅春
1,2
1富山大学医学部第一内科
2富山大学附属病院
キーワード:
①血糖値
,
②糖新生
,
③肥大脂肪細胞
,
④インスリン抵抗性
,
⑤アディポカイン
,
⑥炎症性サイトカイン
Keyword:
①血糖値
,
②糖新生
,
③肥大脂肪細胞
,
④インスリン抵抗性
,
⑤アディポカイン
,
⑥炎症性サイトカイン
pp.31-36
発行日 2010年1月15日
Published Date 2010/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415101013
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
□はじめに
生体の各臓器・組織はブドウ糖を重要なエネルギー源としているため,ブドウ糖の血中濃度(血糖値)を維持することは,生命維持に必要不可欠なことである.生体では,血液中へのブドウ糖供給と血液中からのブドウ糖消失が同時に行われており,血糖値は,その血液中に供給されるブドウ糖量と,血液中から消失するブドウ糖量のバランスで決定される.このような血糖調節に関して,最も大きな役割を果たしている臓器が肝臓で,次いで筋肉,脂肪組織である.また,ホルモンや神経系がそれらの機能を調節する.その結果,血糖値は,空腹時(絶食状態)では60~110mg/dLの一定の範囲内で維持され,また,食後においても140mg/dL未満に調節されている.このような血糖調節に破綻をきたすと,高血糖あるいは低血糖が生じる.本稿では,生理的な血糖調節機構と,糖尿病患者におけるその障害に関して解説する.
Copyright © 2010, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.