Japanese
English
特集 糖尿病の病態を「見える化」してみる―どこまでわかりやすくできるか―
糖尿病の成因を「見える化」する 2型糖尿病
Type 2 diabetes
田守 義和
1
1神戸大学大学院医学研究科糖尿病代謝内分泌内科
キーワード:
①インスリン抵抗性
,
②インスリン分泌不全
,
③脂肪細胞
,
④アディポカイン
,
⑤炎症
Keyword:
①インスリン抵抗性
,
②インスリン分泌不全
,
③脂肪細胞
,
④アディポカイン
,
⑤炎症
pp.25-30
発行日 2010年1月15日
Published Date 2010/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415101012
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
増加する糖尿病
世界の糖尿病人口は2007年には2億4,600万人にのぼり,現在も増加の一途を辿っている.わが国においても,2007年の国民健康・栄養調査によると20歳以上の人口を対象にした場合,糖尿病が強く疑われる人は890万人,糖尿病の可能性が否定できない人は1,320万人で,合わせると2,210万人となり,この数は最近10年間で約1.6倍に増加したことになる.とくに糖尿病が強く疑われる人の増加については,男性の増加が際立っている.これはこの間,男性の肥満者(BMI:25以上)が顕著に増加したことと密接に関連していると考えられる.
こういった糖尿病増加の背景には,現代社会生活における運動量の低下や食生活の変化に伴った脂肪摂取の増大が深く関与している.このことは糖尿病全体の90~95%を占める2型糖尿病の成因を考えるうえでも非常に重要である.
Copyright © 2010, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.