今月の主題 糖尿病の臨床―基礎知識を実践に生かす
糖尿病の基礎知識
2型糖尿病の成因・病態と治療のエビデンス
野田 光彦
1
1国立国際医療センター内分泌代謝科・臨床検査部
pp.14-19
発行日 2006年1月10日
Published Date 2006/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402100453
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ポイント
・2型糖尿病ではインスリン分泌の低下とインスリン感受性の低下の双方が発症にかかわっており,両因子の関与の割合は症例によって異なる.
・2型糖尿病患者では特に糖負荷後早期のインスリン分泌が病初期から特異的に低下している.
・2型糖尿病患者では肝臓における空腹時の糖新生の抑制が不十分である.
・2型糖尿病患者では,摂食後の骨格筋へのグルコースの取り込みが低下し,骨格筋でのグリコーゲンへの転換が障害されている.
・脂肪細胞に発現するアディポネクチンはインスリン感受性促進因子である.
・レプチンは摂食行動を抑制し,交感神経系の活性化によりエネルギー消費の亢進を司るが,多くの肥満者ではレプチンの作用障害が存在する.
・Kumamotoスタディでは,頻回注射法による良好な血糖コントロールが糖尿病細小血管症を抑制しうることが示された.
・UKPDSでは血糖と血圧の良好なコントロールが糖尿病合併症を抑制しうることが示された.
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