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Introduction to Diabetic Patient Management●糖尿病医療学入門 第13回
患者がどう考えているかが糖尿病治療行動を決める―行動の心理的(内的)要因4:ストレスとその評価,そして対応
Stress,appraisal and coping
石井 均
1
1天理よろづ相談所病院内分泌内科
pp.73-78
発行日 2009年1月15日
Published Date 2009/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100916
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□プロローグ:ストレスが多かったものですからきっとHbA1Cは悪いと思います
【症例13-1】62歳2型糖尿病:妻に重病の疑い(Box1)
数年間にわたって適切な食事療法および運動療法が継続されており,HbA1C6.5%未満の良好な血糖コントロールを維持してきた.しかし,家庭内に大きい心配事(妻に癌の疑い)が発生し,不安と不眠が続き,少し飲酒量が増えた.その結果,HbA1Cは8.7%へと急激に悪化した.しかし諸検査の結果癌の疑いは否定され,心配事が解消したのち不安,不眠が消失,生活の変化ももとに戻り,血糖コントロールが改善していった.
この症例は,大切な家族の病気というストレスにより,不安が募り,不眠から飲酒などの不適切な行動がみられた症例であり,血糖コントロールは一時的に悪化した.このように強いストレスがかかったときに血糖コントロールが悪化する症例がある.
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