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「わが国の糖尿病におけるPreclinical Cushing症候群の実態調査研究」が進行中
宮崎 康
1
1みさと健和病院内科
pp.584
発行日 2007年11月15日
Published Date 2007/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100750
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Cushing症候群は二次性糖尿病の原因として留意すべきであるが,最近,その特徴的身体所見を呈さないPreclinical Cushing症候群(PCCS)が注目されている.2型糖尿病患者でのPCCSの頻度について,外国からは3~8%とする報告がある.たとえばLeibovitzらは,コントロール状態が悪い肥満2型糖尿病患者90例に3例のPCCSを認めた(Clin Endocrinol 1996;44:717-722).Bogdanらは200例中11例にPCCS(副腎性8例,下垂体性3例)を.認めた(JCEM 2003;88:5808-5813).わが国では,現在,非肥満,軽症糖尿病患者を含め,広く2型糖尿病患者を対象に,国立病院を中心に表記の実態調査研究が進行中である(総括責任者:成瀬光栄 国立病院機構京都医療センター).筆者も民間病院の立場から研究に参加し,すでにデキサメサゾン抑制試験を終えた100例の2型糖尿病のうち5例にその可能性を確認している(副腎性4例,下垂体性1例).本研究によって,わが国の糖尿病患者におけるPCCSの頻度・病態と,スクリーニング基準が明らかにされることが期待される.
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