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糖尿病療養指導士のための糖尿病外来ケア・チェックシート
金井 千晴
1
1日本看護協会看護研修学校糖尿病看護学科
pp.876
発行日 2006年11月15日
Published Date 2006/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100703
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本書は,糖尿病の病態・治療・療養指導の項目ごとにチェックシートが作成され,それぞれに解説を加える構成となっている.解説を読むことによって最新の知見が得られ,三大合併症については更に詳しい解説がコンパクトにまとめてある.病態のチェックシートでは,診療録を読みこなすためのポイントがおさえられ,治療のチェックシートでは,治療内容や患者の治療に対する取り組みが把握できる.また,療養指導のチェックシートでは患者の生活状況を知ったうえで,患者に必要な療養指導項目をピックアップできる.まさに,糖尿病療養指導士をはじめとする糖尿病患者に関わる医療者が臨床現場ですぐに使える実践書になっている.
在院日数の短縮化など社会情勢の変化によって,糖尿病は外来での療養指導にシフトしつつある.糖尿病患者は増加の一途を辿っており,臨床現場では多忙な日常業務の中での療養指導に苦慮している.このような状況下では,簡便かつ誰が見てもその患者を把握し,指導できるようなツールが必要である.本書のチェックシートを活用することによって,医療者の経験差にかかわらず,患者情報を漏れなく網羅でき,質の高いケアの提供に繋がるであろう.患者に適した療養指導は,患者が生活の中で実践可能かつ継続できる方法を見出せることであり,患者の病態・治療・生活状況をしっかり把握することが必須となる.また,チーム医療の推進においても,患者情報の共有化を図るうえで有用である.チェックシートはそのまま使用できるが,施設の実情に合わせてアレンジすることで,より実用的なものになるであろう.
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