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がんの痛みを救おう!―「WHOがん疼痛救済プログラム」とともに
柏木 哲夫
1,2
1大阪大学大学院
2淀川キリスト教病院
pp.239
発行日 2003年3月15日
Published Date 2003/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100568
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1981年以来,がんは日本人の死因の第1位を走り続けている.年間約30万人が,がんで死亡する.その半数以上が,痛みの治療を十分受けていないと言われている.がんに伴う苦痛は痛みだけではない.悪心,嘔吐,呼吸困難,全身倦怠感なども多くのがん患者を苦しめる.しかし,痛みは発生頻度が高いこと,長期にわたって患者を苦しめることから,その治療は緩和医療の中心をなすものである.
がんの痛みの治療は全世界的な関心事であり,1986年にはWHO方式がん疼痛救済法が公表された.WHOの研究結果によると,がん患者1人あたりのモルヒネの消費量とその国のがん疼痛のコントロールの程度が比例するという.言い換えると,モルヒネの消費量の少ない国のがん患者は,痛むということである.
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