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特集 食育から食事療法2005
小児期に発見されるmetabolic syndromeへの警告―具体的な生活指導と自立の支援
Strategy of obese children with metabolic syndrome
菊池 透
1
1新潟大学大学院医歯学総合研究科小児科学分野
キーワード:
小児肥満
,
代謝異常
,
生活指導
,
行動療法
,
QOL
Keyword:
小児肥満
,
代謝異常
,
生活指導
,
行動療法
,
QOL
pp.395-399
発行日 2005年3月15日
Published Date 2005/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100527
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Case 1 (成功例) 行動療法が自立を支援し,metabolic syndromeが改善した症例
患者:15歳,女性,中学生.
学校での肥満検診で合併症を指摘され受診した.身長156.0 cm,体重103.2 kg,肥満度103.5%,腹囲102 cm,血圧152/75 mmHg,75 g OGTT 0分;BG 102 mmHg,IRI 45 mU/mL,120分;BG 194 mmHg,IRI 202 mU/mL(ピーク),HbA1C 5.6%,HDL-C 62 mg/dL,TG 341 mg/dLであった.外来での生活指導を試みたが,家族の無理解のため断念し,入院の上生活指導を行った.行動目標(間食をしない,階段昇降など)を設定し,チェックリストを使用し自己評価をさせた.できたことはほめ,できなかったことは励ました.1週間ごとに行動目標を変更した.食事は糖尿病食(2,000 kcal)とし,特別な食事制限はしなかった.徐々に表情が明るくなり,これまで両親にあまりほめられたことはなかったとの発言もあった.約3カ月入院し,体重91.0 kg,肥満度80.6%,腹囲96 cm,血圧100/60 mmHg,FBG 86 mmHg,IRI 19 mU/mL,HbA1C 4.9%,HDL-C 37 mg/dL,TG 181 mg/dLと改善した.外来通院でもチェックリストを用いた行動療法を継続し,90 kg前後の体重,HbA1C 5.0%前後を維持している.
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