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Case 1
インスリン増量してもHbA1Cが下がらないと主治医が電話で問い合わせしてきた17歳1型糖尿病女性
この症例の主治医である小児科医から突然電話をいただいたのが,本症例が初診する1カ月前だった.
家族歴:糖尿病の家族歴はなし.
これまでの経過:1993年(7歳時)4月学校検尿で尿糖陽性を指摘され,この頃より多尿,体重減少(5 kg/月),全身倦怠感が出現.近医で糖尿病を指摘されず放置していたら,昏睡(DKAによる)になり市民病院に入院.N,Rの混合2回注射で退院.
1996年(10歳時)HbA1Cが悪化してきたので,眠前Uと毎食前Rの4回注射となる.
1997年(11歳時)夜間低血糖昏睡になってからインスリンを減量する傾向になり,12歳時2回目のDKAを起こした.その後は低血糖と高血糖を繰り返した.
1999年(13歳時),R-R-R-Nの4回注射にしてもHbA1Cは改善せず,2002年入院.カロリーは1,500 kcalを指示された.HbA1Cがいったん9.2%と下がるが,退院後HbA1Cが15.5%になったので,2003年2月(17歳時)東京女子医科大学糖尿病センターに紹介された.この時に指示されたインスリン量は朝食前ヒューマログ(以下ログ)8-10,昼食前ログ10-12,夕食前ログ10-12,眠前N 28単位であった.ヒューマログは数カ月前より前医から使用していた.
身体的所見:体重58 kg(過去最大60 kg),身長175.5 cm,BMI 22.4,特記すべき身体所見として腱反射減弱のみ.
検査所見:来院時随時血糖231 mg/dL,HbA1C 13.2%,微量アルブミン尿なし,眼底所見異常なし.
抗GAD抗体0.3 U/mL未満.肝機能,脂質代謝異常なし.
Case 2
気管支喘息から肥満2型糖尿病が発見された13歳男児
家族歴:母親祖父に2型糖尿病あり.
これまでの経過:11歳ごろより肥満してきた.2002年(13歳時)2月ごろより多飲があった.同年3月気管支喘息が出現し入院した.この時HbA1C 10.5%,血糖430 mg/dLを指摘され,喘息が改善した2週間後,東京女子医科大学糖尿病センター初診.これまで学校検尿で尿糖陽性を指摘されたことなし.
身体所見:体重58.6 kg,身長163 cm,BMI 22.0.血圧90/60 mmHg,腱反射正常.微量アルブミン尿なし.眼底所見異常なし.肝機能,脂質代謝異常なし.
検査所見:HbA1C 9.8%,血糖160 mg/dL,抗GAD抗体0.3 U/mL未満.
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