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Case 1
転勤を契機に不眠症状と血糖管理が増悪した2型糖尿病男性
患者:53歳男性(電子機器技術開発者).
家族歴:糖尿病の家族歴はなし.
現病歴:1988年,職場健診にてFBS 174 mg/dLのため,A病院糖尿病専門外来を紹介受診.上記診断され食事療法1,600 kcalを指導されたが,海外出張なども多く仕事が多忙であることを理由に通院を自己中断.当センターでも再三呼び出しを行ったが,なかなか受診できず,年数回の血液検査は,HbA1C 9%程度.不眠も出現,ビール1 L以上をほぼ毎日飲酒し就寝するようになった.1993年9月,口渇と全身倦怠感を強く自覚し当センターを受診.HbA1C 10.4%と血糖コントロール不良のため外部専門機関を再び紹介されたが,入院や定期通院が難しいとのことでやむを得ず当センターにてグリミクロン40 mg/日の処方開始.血糖コントロールは,HbA1C 7%前後まで改善.1996年,地方の工場に転勤となり単身赴任.現地医療機関と連携し経過観察されたが,仕事が多忙を極め,また,つきあいも多くなり,食事や飲酒の管理がうまくいかず,血糖コントロールは,HbA1C 8~9%まで再増悪.不眠症状も強くなり,レンドルミンを常用するようになった.2000年4月,地方工場より復帰となり,当センターにおける加療再開となった.
身体所見:身長159.0 cm,体重55 kg(過去最大64 kg),血圧132/86 mmHg,腱反射の軽度減弱を認める他は特記すべき所見なし.
検査所見:FBS 222 mg/dL,HbA1C 9.0%,AST 26,ALT 19,γGTP 86,T-Chol 208 mg/dL,TG 185 mg/dL,HDL 63 mg/dL,抗GAD抗体(-)他特記すべき所見なし.
Case 2
仕事の負荷に連動して血糖管理の増悪改善を認めた2型糖尿病男性
患者:46歳男性(コンピュータ技術開発者).
家族歴:糖尿病の家族歴はなし.
現病歴:1991年,職場健診にて尿糖(+)のため,糖負荷試験により上記診断,HbA1C 5%台につき食事と運動の指導のみ受けた.1993年,転勤により仕事が多忙となり,深夜帰宅後の食事や過度の飲酒などが目立ち始めた.1996年,血糖コントロールは,HbA1C 9%台まで増悪,1,600 kcalの食事療法が指導され,オイグルコン2.5 mg/日,ベイスン0.6 mg/日の内服開始.数カ月後,体重69→60 kg,HbA1C 6%前後まで改善.しかし,その数カ月後,再び体重増加や血糖コントロール増悪を認めるなど,仕事のピークを越えるごとに血糖コントロールは増悪,改善(HbA1C 6~9%)を繰り返した.2000年6月,胸部圧迫感,ふらつき感,頭痛などが出現し,B病院循環器内科,耳鼻科などで精査されたが異常は指摘されず,同院よりデパス1.5 mg/日が処方された.
身体所見:身長166.7 cm,体重63.6 kg(過去最大69 kg),血圧130/80 mmHg,他は特記すべき所見なし.
検査所見:FBS 162 mg/dL,HbA1C 8.8%,T-Chol 277 mg/dL,TG 116 mg/dL,HDL 69 mg/dL,UA 7.8,抗GAD抗体(-)他特記すべき所見なし.
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