Special Lecture●特別講義
臨床内分泌学を学ぶ人のために
井村 裕夫
1,2
1財団法人 先端医療振興財団
2京都大学
pp.11-22
発行日 2007年1月15日
Published Date 2007/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100449
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黎明期
最初に強調しておきたいことは,臨床内分泌学は大変重要であって,それが今日の内分泌学の基礎をつくったということである.内分泌学の流れには,いくつかあるが,最も大きな流れは,Thomas Addisonが,Addison病を記載したことだろうと思う.
Addisonは,ロンドンのGuy's Hospitalの内科医で,特発性貧血―原因のわからない貧血に興味をもっていた.そうした患者を診ている間に,皮膚に特有の色素沈着,食欲不振,無力症,痩せ,そして最後は死に至る例があることに気づき,数例について剖検まで追跡した.
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