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Case 1
皮膚所見が診断に結びついた症例
59歳女性.血糖コントロール不良を主訴として受診.50歳から高血圧で内服治療(当時体重60 kg).53歳時に高脂血症,脂肪肝を指摘.56歳時に糖尿病と診断され,経口血糖降下薬で治療されたがコントロールは不十分であった(HbA1C 9.1%).身長144 cm,体重47.7 kgで,手足が少し痩せたと言う.血圧130/70 mmHg,血圧測定時に,肘窩部に採血後の皮下出血(紫斑)を認めた.問診上,下腿にも紫斑ができやすいとの病歴が聴取された.両頬部に潮紅あり(Box 1).胸腹部に特記すべき所見なし.下腿に軽度の浮腫を認め,アキレス腱反射は減弱していた.満月様顔貌,皮膚線条などの所見は認めなかった.生化学的検査では,低カリウム血症(3.4 mmol/L),LDHの軽度上昇(682 mU/mL)を認めた.
Case 2
一過性の皮疹を示した症例
20歳女性.四肢の皮疹を主訴として受診.家族歴では,母親が糖尿病,腎不全のため透析療法中.生来健康であったが,2001年年末頃から両側手背に直径2~5 mm程度の多発性の赤褐色の丘疹が出現,軽いかゆみがあった.丘疹は次第に前腕,上腕にも広がったため2002年1月8日に近医受診.外用薬,抗ヒスタミン薬を処方されたが,症状は軽快しなかった.10日に近医を再診したところ,随時血糖474 mg/dL,HbA1C 15.7%,尿ケトン体(3+)を指摘され,緊急入院となった.入院時には,両側手背,前腕および上腕の伸側,下腿の伸側に多数の丘疹を認めた(Box 2).入院後直ちにインスリン治療を開始し,血糖コントロールの改善と共に,丘疹は約1カ月の経過で徐々に消失した.
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