特集 手をみせて
【全身疾患でみられる手の所見】
代謝内分泌疾患でみられる手の所見
真嶋 隆文
1
,
島津 章
1
1国立病院機構京都医療センター臨床研究センター
キーワード:
代謝内分泌疾患
,
手指振戦
,
テタニー
,
AHO
,
Addison病型色素沈着
,
汎発性環状肉芽腫
,
デュピュイトラン拘縮
,
黄色腫
Keyword:
代謝内分泌疾患
,
手指振戦
,
テタニー
,
AHO
,
Addison病型色素沈着
,
汎発性環状肉芽腫
,
デュピュイトラン拘縮
,
黄色腫
pp.486-490
発行日 2008年6月15日
Published Date 2008/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101439
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Case
手指振戦を主訴に来院した1例
患者:28歳の男性.
家族歴:祖母に甲状腺疾患.
現病歴:半年前からの体重減少と動悸,および数カ月前からの「手指のふるえ」にて当院を受診した.「手指のふるえ」は小刻みに速く,手を膝の上に軽く置きリラックスさせた状態ではほとんど認めないが,上肢を前方に挙上し,手指を広げた状態で伸展させると顕著となった.眼球突出や頸部腫大は目立たないが,甲状腺ホルモン高値,TRAb高値,および超音波検査にて甲状腺の軽度のびまん性腫大,ヨード摂取率の亢進を認めバセドウ病と診断した.メルカゾール®の内服と同時に,手指振戦に対してβ遮断薬を開始したところ,手指振戦は治療開始2週間後には明らかな改善を認め,β遮断薬漸減終了後も再発することなく経過している.
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