Japanese
English
チームでBrush Up 糖尿病診療
メタボリックシンドロームとはこういう状態です
The metabolic syndrome
河合 俊英
1
,
島田 朗
1
,
伊藤 裕
1
1慶應義塾大学医学部内科
pp.775-778
発行日 2006年9月15日
Published Date 2006/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100310
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
メタボリックドミノ
メタボリックドミノの概念は,生活習慣の偏り(過食,運動不足など)があると,ドミノ倒しの最初のコマが倒れ,肥満を来し,内臓脂肪蓄積がインスリン抵抗性を惹起することから経時的に連鎖して耐糖能障害,高血圧,高脂血症などの病態を引き起こすことをとらえたものである.ドミノの下流である心臓病,脳卒中,失明,透析などの合併症発症後は,個々の病態に対する治療の必要性があるものの,すべてに共通してドミノの上流を見据えた患者教育,指導,管理が重要である.
メタボリックシンドロームの治療
治療としては,生活習慣の是正と薬物治療が重要である.治療の指標として,ウェスト径の他,体重,Body mass index(BMI)(体重(kg)/身長(m)2)を用いる.BMIの程度によるが,一般的に肥満のある症例では,現体重の約5%を3~6カ月で減量させる.「1kgの減量のために約7,000kcalマイナスバランスにする必要性」を患者に教えると効果的なことがある.例えば,「ごはん茶わん一杯分(≒160kcal)を約45日(1カ月半)減らす」,あるいは運動療法として「1日約1万歩の歩行(≒200~300kcalの消費)の約1カ月間の実施」で約1kgの減量と具体的に指導すると,実践できることがある.
Copyright © 2006, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.