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特集 患者さんに上手に説明するための17の秘訣
糖尿病をよく知るための検査
Clinical pearls of the laboratory examination for diabetes mellitus
乗本 道子
1
1安来市立病院内科
キーワード:
①HbA1C
,
②血糖自己測定(SMBG)
,
③生活の質(QOL)
Keyword:
①HbA1C
,
②血糖自己測定(SMBG)
,
③生活の質(QOL)
pp.574-576
発行日 2006年7月15日
Published Date 2006/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100251
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慢性高血糖の存在を患者さんに自覚してもらうためには
血糖値やHbA1Cに関心をもたせる必要がある
当院では自己管理の手段として,体重測定とともに食後2時間目の尿糖自己測定や必要に応じて血糖自己測定(SMBG)を勧めている.その結果を自己管理ノート(Box 2)に記入してもらい,受診の都度に持参してもらう.そのデータを糖尿病療養指導士が患者とともに評価し,QOLを考慮しつつ目標設定を行い,行動修正に結びつけている.このようにして受診時検査だけでは把握できない患者さんの日常を知って治療に生かす努力をしている.
HbA1Cに関しては,なかなか意味を理解してもらえないので,坂根直樹先生のテキストの「HbA1Cの説明法」の図2)(前ページの下の図)を活用している.具体的にはHbA1C 9%は39℃の発熱に匹敵する病状であること,6.5%未満すなわち36.5℃に下げることが合併症予防につながることをわかりやすく説明できる有用なツールである.自身のHbA1Cと目標値とのへだたりを視覚的に,日常的な例えで示されると認識が深まるので,ここで次なる介入が可能になる.またHbA1Cの1年間の推移をグラフにして示すとどの季節に問題があるかが手にとるようにわかるのでさらなる介入のきっかけになる.
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