糖尿病診療の新時代 2010年代の展望
知らぬと損する検査方法 糖尿病患者にみられる自己抗体
及川 洋一
1
,
島田 朗
1慶応義塾大学 医学部内科
キーワード:
自己抗体
,
糖尿病-1型
,
IA-2抗体
,
抗GAD抗体
,
膵島細胞抗体
,
SLC30A8 Protein
Keyword:
Autoantibodies
,
Diabetes Mellitus, Type 1
,
Islet Cell Antibody
,
ICA512 Autoantibody
,
SLC30A8 Protein, Human
pp.45-47
発行日 2010年1月1日
Published Date 2010/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2010082273
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GAD抗体の測定は、1型糖尿病の診断にきわめて有用である。インスリン非依存状態にある糖尿病新規診断例において、GAD抗体価(コスミック社)が10U/ml以上のケースでは、将来的にインスリン治療を要する状態への進展率が高いことから、GAD抗体の測定は緩徐進行1型糖尿病の進展予知にも有用である。IA-2抗体やIAAの測定は、とくに小児(~若年者)の急性発症1型糖尿病の診断に有用である。ICAの測定はかつて1型糖尿病の診断に用いられていたが、現在はGAD抗体やIA-2抗体の測定に取って代わられている。ZnT8抗体は、1型糖尿病に関連する新規の自己抗体として注目されている。
©Nankodo Co., Ltd., 2010