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21世紀のインスリン治療戦略・多様なインスリン療法を目指して―第3回先進インスリン療法研究会(甲府市,2003年10月25日)
古家 美幸
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1天理よろづ相談所病院 内分泌内科
pp.114
発行日 2004年1月15日
Published Date 2004/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100132
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2003年10月25日,第3回先進インスリン療法研究会が甲府市のベルクラッシク甲府で開催された.この研究会はインスリンポンプ治療研究会から発展したもので,主にCSIIを中心としたインスリン療法の最新情報を得ることができるため,毎年楽しみに参加している.
今回,最も印象に残ったのは米国で糖尿病診療に携わっておられる大塚孝裕先生(Loma Linda University)の特別講演であった.テーマは「米国におけるCSIIおよび連続血糖モニターの臨床応用の実際」であり,CSII療法のノウハウを具体的な症例を呈示しながらわかりやすく解説された.その内容はCSII療法における,1)炭水化物カウンティング(Carbohydrate counting),2)基礎および追加インスリン投与量の設定方法,3)72時間血糖持続モニターやGlucoWatch(採血不要の腕時計型血糖測定装置)に関するものであった.その中で炭水化物カウンティング(食事に含まれる炭水化物量を計算する方法)は,追加インスリン量の決定に必須であると強調され,Insulin/Carbohydrate Ratio(1単位のインスリンが何gの炭水化物に対応するか)やInsulin Sensitivity Factor(1単位のインスリンがどれだけ血糖値を下げるか)を用い,目標血糖値に近づけるためのインスリン量を決定する方法について教えていただいた.
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