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第6章 代謝系に作用する薬剤
[糖尿病治療薬]
インスリン
-持効型インスリン1日1回注射を中心に
宮川 髙一
1
1多摩センタークリニックみらい
pp.841-847
発行日 2023年4月1日
Published Date 2023/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika131_841
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・2型糖尿病で内因性インスリン分泌が残存している患者へのインスリン療法は持効型インスリンで開始する.3種類の持効型インスリンのどれから開始してもよい.
・3~5単位から開始し,早朝空腹時血糖140~160mg/dLを最初の目標とし,2~4週間ごとに1単位ずつ増量する.
・血糖自己測定(SMBG)を併用し,昼食前,夕食前,就寝中,早朝空腹時,運動時の低血糖に注意する.
・最終的には早朝空腹時血糖90~120mg/dL,HbA1c 7.0%未満を目指す.高齢者などでは高めの血糖コントロール(HbA1c 7.5~8.5%)とする.
・血糖コントロールの長期不良例にて急激に血糖を改善すると,網膜症や神経障害が悪化することがあるので注意する.
・15~20単位まで増量しても目標に達しない場合には併用薬(SGLT2阻害薬,GLP-1受容体作動薬,インスリンGLP-1作動薬配合薬など)を追加,または頻回注射法に移行する.
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