外来で見逃された症例―あなたの診断は?・42
左右差のある下腿のむくみで受診した高齢者
渡邊 京子
1
,
清水 裕美
1
,
生坂 政臣
1
1聖マリアンナ医科大学総合診療内科
pp.197,274
発行日 2002年3月15日
Published Date 2002/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414903474
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症例:60歳,男性.5~6年前より腰痛があった.2~3カ月前より,両下肢のむくみと歩きにくい感じに気づき,近医を受診したところ,脊柱管狭窄症といわれたが,むくみの原因は不明であったために当科を受診した.喫煙,飲酒歴なく,既往歴に特記事項なし.NSAIDsを含めて常用薬はない.来院時の身体診察では,血圧160/90mmHg,脈拍80/分・整,頭頸部では顔面に脂漏性皮膚炎を認める.胸腹部に異常所見なく,足背動脈,後脛骨動脈は触知良好.両下腿に左側優位の著明な圧痕性浮腫を認めた(図1).下腿に発赤や静脈瘤なく,Homans徴候は陰性である.尿,一般血液・生化学検査,甲状腺ホルモン値,胸部X線写真は正常範囲であった.
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