臨床研究
視診および体温から急性咽頭扁桃炎の原因(細菌性か否か)を診断できるか
生方 英一
1
1生方内科クリニック
pp.946-947
発行日 2001年10月15日
Published Date 2001/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414903370
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抗生物質は細菌感染症の治療薬であるが,われわれはしばしば細菌感染症と診断する前に使用している.今回,筆者は,急性咽頭扁桃炎がウイルス性か,細菌性かを視診および体温から診断できるかどうかについて検討した.咽頭痛を主訴に受診し,咽頭培養を行うことができた167名の患者を対象とした.39%に細菌が検出された.咽頭に白苔を認めた患者においては65%に細菌が認められた.白苔が認められ,しかも中等度(38.0~38.9℃)の発熱をきたした患者においては,全例(100%)に細菌が認められた.
視診および体温からウイルス性か細菌性かを診断することはできないが,咽頭に白苔が認められ,中等度(38.0~38.9℃)の発熱患者では,細菌性と考えたほうがよいと考えられた.
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