外来で見逃された症例―あなたの診断は?・32
失神発作を繰り返す75歳男性
清水 裕美
1
,
生坂 政臣
1
,
亀谷 学
1
1聖マリアンナ医科大学総合診療内科
pp.397,474
発行日 2001年5月15日
Published Date 2001/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414903244
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症例:75歳,男性.1週間前より飲酒,入浴,歩行時に,数秒間持続する失神発作が数回出現したために当科を受診した.発作直前に動悸を感じるが,嘔気,胸痛,冷汗,呼吸困難はないという.発作時のけいれんは目撃されていない.他院にて15年前より降圧薬を処方されているが,投薬内容の変更はない.身体診察では,本日午後の失神発作時に生じた顔面裂傷を認めるが,バイタルサイン,頭頸部,胸腹部,四肢は正常範囲であり,神経学的にも異常は認められない.一般血液・生化学検査では,AST 23 IU/l(正常値29以下), ALT 22 IU/l(同30以下),LDH 442 IU/l(同428以下),CRP 8.7 mg/dlであり,心電図は正常範囲であった.初診時の胸部単純X線写真(図1)を示す.
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