特集 浮腫からのクイックアプローチ
関連症例
痛みと両手にむくみを呈したRS3PEの1例
川畑 秀伸
1
,
山本 和利
1
1札幌医科大学地域医療総合医学講座
pp.310-311
発行日 2001年4月15日
Published Date 2001/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414903222
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患者は86歳の男性.生来健康であったが,2ヵ月前から腰部と両下肢に痛みが出現し,両肩部から首にも広がり,両手のこわばりとむくみをきたした.入院前には痛みで衣服の着脱も困難となり,布団から起き上がれなくなった.服薬歴はなく,発熱や心不全徴候もない.身体診察では,両手関節から末梢の手背側と両足部に圧痕浮腫と,両側肩・股関節に疼痛による全方向性の可動域制限を認めた.検査所見は白血球10,600/μl,血沈76mm/h,CRP13.3mg/dlであったが,リウマチ因子,抗核抗体は陰性で,手・肩・股の関節はX線上異常なかった.Remitting seronegativesymmetrical synovitis with pitting edema (RS3PE)と考え,プレドニゾロン30mgを処方したところ4日目から痛みが軽減した.半年かけてプレドニゾロンを10mgまで漸減し,隔日で内服中であるが,疼痛も浮腫もない状態に維持されている.
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