総合外来
「マラリア予防薬を内服していた」にご用心
藤村 聡
1
,
福井 次矢
1
,
高岸 壽美
2
,
沖本 芳春
2
,
榎本 雅夫
2
,
藤田 紘一郎
3
1京都大学医学部附属病院総合診療部
2日本赤十字和歌山医療センター
3東京医科歯科大学大学院国際環境寄生虫病学
pp.1056-1058
発行日 2000年12月15日
Published Date 2000/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414903148
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Case
マラリア予防薬を内服していてたにもかかわらず帰国後に発症した2例
症例1:22歳,男性.東南アジアを3週間旅行し,旅行中はマラリア予防薬(クロロキン)を内服していたが,帰国後は内服していなかった.帰国10目目から38℃台の発熱とインフルエンザ様の症状を自覚し来院,血液塗沫標本よりマラリアと診断された.
症例2:28歳,女性.看護婦.日本赤十字社より干ばつ被害のエチオピアの国際医療救援に6ヵ月派遣された.マニュアルに従い,滞在中および帰国後6週間マラリア予防薬(クロロキン)を内服した.予防内服薬終了後,周期的な発熱と倦怠感を自覚し来院した(「私のマラリア体験記」参照),マラリアではないと本人は考えていたが,主治医の迅速な判断で,赤血球中にマラリア原虫が検出され治療された(本号表紙写真,画像コレクション参照).
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