特集 日常診療/救急外来で役立つ診断機器・キット
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北原 良洋
,
深井 祐治
,
下村 国寿
,
田坂 佳千
,
原 朋邦
,
稲川 和男
,
石澤 晋
,
西村 敬史
pp.906-907
発行日 1999年10月15日
Published Date 1999/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414902839
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Q1 在宅酸素療法を行っている慢性呼吸不 全患者の酸素投与量は,パルスオキシメー ターを利用してどのように決めたらよいか教 えてください.
A 慢性呼吸不全患者の酸素療法の目的は,急性呼吸不全の救命目的の酸素療法とは異なり,呼吸仕事量を減少させ,肺高血圧,多血症を防止するために行う.長期少量投与が基本である.安静時および睡眠時の酸素投与は,少量投与(0.3~0.51/分)から開始する.パルスオキシメーターを見ながら,SaO2で92%(PaO2で60~65mmHg)を目標として,酸素解離曲線の特性を利用して徐々に投与量を増やすのがポイントである.運動時には酸素必要量が増大し,換気量が増加する.このため,安静時と同一の酸素投与量では効果が不十分であり,安静時の酸素投与量に1l/分増加させる.携帯型ボンベで酸素を吸入しながらパルスオキシメーターを用いて確認するとよい.運動後は安静時の投与量に戻すように指導する必要がある.
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