特集 救急 10問10答―最初の1時間ですること,考えること
第7問:めまい,フラフラ感の急患で忘れてならない身体診察は何か
大石 延正
1
1共立湊病院耳鼻咽喉科
キーワード:
めまい
,
問診
,
一般身体所見
,
神経学的所見
,
平衡機能検査
Keyword:
めまい
,
問診
,
一般身体所見
,
神経学的所見
,
平衡機能検査
pp.571-575
発行日 1998年7月15日
Published Date 1998/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414902500
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Case
1 突然起こった激しいめまい
患者:64歳,男性.1週間前よりかぜ気味であった.起床時に突然激しいめまい感と悪心が出現.改善しないため救急車にて来院.歩行は不可能.意識は清明.バイタルサインや運動知覚系に異常を認めなかったが,注視にて左向き3度の水平性眼振を認めた.聴力低下,耳鳴の自覚はなかった.緊急CT上明らかな異常を認めなかった.脳幹部梗塞も考慮し,入院のうえ治療を施行.3日後,眼振は残るものの,歩行可能となった.フォローのMRIでも脳幹部を含め異常を認めなかった.1週間後に行ったカロリックテストでは,右側は30℃,44℃ともに無反応であった.以上より,右前庭神経炎と診断した.10日後退院としたが,左向き自発眼振は残存していた.
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