特集 救急 10問10答―最初の1時間ですること,考えること
第6問:「息切れ」で初めに行う診察と処置は何か
満岡 孝雄
1
1佐々木内科小児科医院・心臓病クリニック
キーワード:
息切れ
,
呼吸困難
,
喘息発作
,
血液ガス測定
,
パルスオキシメータ
Keyword:
息切れ
,
呼吸困難
,
喘息発作
,
血液ガス測定
,
パルスオキシメータ
pp.566-570
発行日 1998年7月15日
Published Date 1998/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414902499
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Case
1 夜間呼吸困難で発症した急性左心不全の 1例
患者:58歳,男性.それまでは健康に関する問題を感じたことはなかった.朝方4時ころ急に呼吸困難を覚えて目覚め,2時間ほど起座位をとっていたら軽快した.日中軽作業をしたが,特に息切れは感じなかった.その夜0時ころ,再び呼吸困難で目覚め,朝方まで起座位でがまんしていたら軽快した.しかし,その日は坂道をのぼるとき,動悸,息切れを感じた.その夜,前夜と同様の呼吸困難を呈し,朝受診した.第4肋間胸骨左縁にthrillを伴うLevine 5度の逆流性収縮期雑音を,背部にて湿性ラ音(水泡音,coarse crackle)を聴取した.胸部X線では心拡大,肺うっ血像,胸水を認めた.急性左心不全と診断,緊急入院となる.心エコーにて腱索断裂による僧帽弁閉鎖不全症と診断された.
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