JIM臨床画像コレクション
ニフェジピンの副作用による歯周疾患
石戸 喜正
1
1みさと健和歯科
pp.813
発行日 1997年10月15日
Published Date 1997/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414902260
- 有料閲覧
- 文献概要
図1は,左上犬歯部から臼歯部にかけて歯肉増殖症が認められる.歯ブラシ指導の専門家である歯科衛生士の指導を3回ほど受け,増殖歯肉の下に沈着している歯石を除去し,2週間経過した状態である.初診日から2カ月過ぎたが,患者は,「痛みはないが,歯肉はだいぶ腫れぼったい」と訴えていた.さらに,歯ブラシ指導を強化し,抗菌作用のあるクロールヘキシジン入の含嗽剤を1日3回程度使用してもらったが著明な改善は見られなかった.
図2は図1と比較し,左上臼歯歯間部歯肉の増殖は軽減している.病院内科主治医と連絡をとり,降圧薬をニフェジピン徐放剤からACE阻害薬に変えてもらってから1カ月後の状態である.「歯肉の腫れがひいてきて,歯と歯の間にすき間が出てきた」と患者は実感をこめて話した.その後,再度歯石除去を実施し現在に至っているが,歯肉は安定した状態であり再発は見られない.内科より,血圧のコントロール状態は降圧薬の変更前と変わらず良好な状態であるとの返事をいただいた.
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.