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妊娠糖尿病の管理
溝渕 和久
1
1今西病院
pp.1090-1091
発行日 1996年12月15日
Published Date 1996/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414902036
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妊娠中に初めて診断される耐糖能異常は妊娠糖尿病と呼ばれる.しかしその定義はあいまいで,治療にも論争がある.最も重要なことは妊娠に悪影響を及ぼし,母親および児が将来に糖尿病となる危険性の増加する耐糖能異常の閾値がわかっていないことである.
妊娠は生理学的なβ細胞ストレス試験と考えられ,耐糖能は母親の十分なβ細胞予備能によっている.正常妊娠では空腹時血糖は減少し,食後血糖は上昇する.食後のインスリン放出は倍増するが,妊娠後期ではインスリン感受性は半減する.妊娠糖尿病はこの生理的インスリン感受性低下に対して,インスリン分泌が十分に増加しない女性に発生する.
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