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特集 難治性びまん性肺疾患克服への取り組み
サルコイドーシス
Sarcoidosis
四十坊 典晴
1
,
山口 哲生
2
Noriharu Shijubo
1
,
Tetsuo Yamaguchi
2
1JR札幌病院呼吸器内科
2JR東京総合病院呼吸器内科
1Department of Respiratory Medicine, Sapporo Hospital of Hokkaido Railway Company
2Department of Respiratory Medicine, Tokyo General Hospital of Japan East Railway Company
pp.371-378
発行日 2012年4月15日
Published Date 2012/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101931
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はじめに
サルコイドーシスは原因不明の全身性肉芽腫性疾患である.その原因についてはわが国においてプロピオニバクテリア説が提唱されているが,いまだ確定に至っていない.特徴的な病変である非乾酪性類上皮細胞肉芽腫は何らかの抗原に対する免疫反応により形成されると考えられている.サルコイドーシスの病変は肺,リンパ節,眼,皮膚,心臓,神経・筋,肝,脾,腎,骨などの全身の諸臓器に及び,非常に多彩な病状を呈し,なおかつ,それぞれの病変に対し寛解,持続,進行があり,その臨床像は極めて多様で幅がある1~6).転帰に関しては,ある場合には発症発見から2年以内に自然に軽快するし,一方では,急速に進展し,すぐ治療が必要な場合もある.また,数年にわたって慢性化していき,このなかから治療が必要な症例も出てくる.治療はステロイド剤が中心となるが,治療抵抗性の症例,ステロイド剤の離脱が困難な症例,または感染症のリスクが高い症例では,免疫抑制剤(欧米の細胞毒性剤)の単独投与またはステロイド剤との併用が考慮される2~5).
本稿では,サルコイドーシスの多様性,多彩性,治療の原則,ステロイド治療,免疫抑制剤治療,特にサルコイドーシスにおいても使用が増える可能性があるメトトレキサート(MTX)に関し解説する.また,全身性疾患であるため,循環器内科,眼科などとの連携の重要性に関しても言及する.
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