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特集 更年期外来
外来でよくみる症状とその対応
更年期によくみられる精神症状
Mental Problems
相良 洋子
1
1東京大学産婦人科
pp.128-129
発行日 1995年2月15日
Published Date 1995/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414901420
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■更年期に抑うつ症状を呈した症例
患者 54歳,主婦.
主訴 のぼせ,熱感,肩こり,関節痛.
問診により上記の症状以外に,抑うつ気分,1日中続く眠気,意欲減退,疲労感,食欲不振,体重減少(6カ月で8kg)などが明らかとなった.51歳の時に子宮筋腫のため単純子宮摘出術を受けており,症状は術後1年ごろから始まり徐々に強くなっていた・主訴のために整形外科,内科などを受診し,内科で更年期障害を疑われ当科受診となった.娘は患者が手術を受けた年に結婚して独立し,58歳の夫と教員をしている息子との3人暮らしであった.夫はアルコ―ルに依存する傾向があり,患者との会話はほとんどない生活が続いていた.また,実姉はうつ病の治療中であった.病前性格としては,几帳面,まじめで責任感が強く,近所の人たちからも信頼される存在であった.内分泌学的検査では,FSH (folliclestimulating hormone)118.71U/L,E2(estradiol)<5pg/mlと卵巣機能は閉止していた.
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