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特集 内科治療のスタンダード―集団から個への橋渡し
高脂血症の薬物療法
Drug Treatment of Hyperlipidemia
河野 幹彦
1
1自治医科大学大宮医療センター総合医学(I)
pp.30-34
発行日 1995年1月15日
Published Date 1995/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414901390
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■狭心症を合併した家族性高コレステロール血症(Jl)
患者 47歳,男性.
母親が高コレステロール(TC)血症.1992年4月より歩行時の胸痛が出現するようになり,次第にその強さと頻度が増悪したため来院した.初診時総コレステロール350mg/dl,中性脂肪240 mg/dl, HDLコレステロール33mg/dl,角膜輪とアキレス腱肥厚を認め家族性高コレステロール血症と診断された.冠動脈造影(CAG)で左前下行枝に99%の狭窄を認め,PTCAを施行し,25%の狭窄に改善させた.メバロチン,クエストラン,プロブコールが開始され総コレステロール128mg/dl,中性脂肪154 mg/1, HDLコレステu一ル20mg/dl前後となった.7月に再狭窄が生じ,PTCAを施行し25%に改善させた.同じ処方により総コレステロール141mg/dl,中性脂肪91mg/dl, HDLコレステロール21mg/dl前後の値が続いたが,10月に再々狭窄が生じPTCAを,1993年1月にも狭窄による胸痛が出現したため,アテレクトミーを施行した.血清リボ蛋白電気泳動でpreβ~β位(midband)に泳動される分画が多いためVLDL, IDLの異化が悪いと考え,プロブコールを中止しニコチン酸に変更し,その後は総コレステロール170mg/dl,中性脂肪115mg/dl, HDLコレステロール35mg/dl前後となり以後胸痛は全くない.
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