JIM Report
わが国の総合診療の現状―第2回総合診療研究会ナイトセッションより(1994年3月5,6日,天理よろづ相談所病院において)
青木 誠
1
1国立東京第二病院総合診療科
pp.757
発行日 1994年8月15日
Published Date 1994/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414901272
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■高次医療機関における総合診療
わが国で最初に総合診療の概念が生まれ実践されたのが,高次医療機関である天理よろづ相談所病院である.専門分化した医療の弊害を補完するために行われている同病院の総合診療は,"今日的意味での総合診療"のあり方の1つを説得力をもって示している.その診療を通じての卒後研修は,独立性のある総合診療により,専門医にありがちな体質の弊害を卒後初期から身に付けないように習慣付けることに重点を置いている.天理よろづ相談所病院と同じく,総合診療部を独立した組織体としては持たないが,総合診療を目指した初期研修に取り組んでいる施設は,舞鶴市民病院など少なくない.総合診療研究会でも,研修医の臨床に関する研究がこれらの施設から発表されている.また初期研修にとどまらず,その後も引き続き内科全般にわたる総合診療力を高めるための活動をしている内科学研鑽会参加の諸施設がある.
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