Japanese
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フライ先生の日常病レッスン・3
機能性胃腸疾患
Functional Disorders of Gastrointestinal Tract
楢戸 健次郎
1
John Fry
1栗沢町美流渡診療所
pp.462-463
発行日 1993年5月15日
Published Date 1993/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414900848
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どんな疾患か
プライマリケアの場では,"胃腸機能のみだれ",いわゆる急性胃腸炎が非常に多いことに驚かされる.筆者の診療所でも成人住民の1割以上がこのことで年に1回は来院する.
これはその原因,病理がまだわかっていない症状群である.その症状は消化管のすべて,すなわち食道,胃,小腸,大腸,直腸の症状として現れてくることが多い.同様な症状は食道裂孔ヘルニア,消化性潰瘍,消化管の悪性腫瘍,胆嚢疾患,肝膵疾患,多発性憩室症でも起こってくるので,これらを除外する疾患としていつも頭に置いておかなければならない.誘因としては,自律神経の不調による消化管の運動障害,ストレス,食事,アルコール過飲,喫煙,アスピリンや他の鎮痛剤による副作用,ヘリコバクターによる感染の可能性や赤痢の後などが考えられる.
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