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特集 作業関連疾患への対応
Editorial
「職業病」から「作業関連疾患」へ―その対応
Work-related Diseases
高橋 隆一
1
1国立東京第二病院
pp.497
発行日 1993年6月15日
Published Date 1993/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414900856
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「職業病」から「作業関連疾患」へ
従来「職業病」と言われていた疾患は,特定の職業に多発する疾患である.例えば,鉱山労働者などにみられる塵肺症,水底作業者にみられる潜函病,溶鉱炉作業者などにみられる熱中症,チェーン・ソウによる林業労働者にみられる白蝋病などが代表的職業病であり,一般臨床医の目に触れることは比較的少なかった.これらの疾患については発症機序がかなり明らかになり,法的措置などを含めて予防対策が徹底して行われた結果,患者は減少してきた.
しかし,最近では特殊な職業ではなく,一般的職業に従事している人にも一見不定愁訴にみえる症状を訴えて受診する「職業病」患者が増加している.このような疾患群は,かつての「職業病」のように特定の職業にみられる限られた臨床所見を示す疾患と異なり,広範囲の職業に認められるので従来の典型的「職業病」も含めて,最近では疾患群の範囲を広げて「作業関連疾患」として扱うようになっている.
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