Generalist and Specialist
一般医の視野で専門診療を
石川 英一
1
Hidekazu Ishikawa
1
1群馬大学
pp.751
発行日 1992年9月15日
Published Date 1992/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414900554
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現代は,科学,技術の進歩に伴って意識の改革を要求している.医療の場においても例外ではない.
以前は,医師には患者をよく指導し,診療内容については患者に文句を言わせない権威が必要で,またそれを良しとする風潮がないでもなかった.そのせいか,大学病院では,失礼だが,威張っていた医師が多かった記憶がある.しかし,最近はいわゆるインフォームド・コンセントの概念が普及し,治療選択の決定権は医師でなく,患者にあることが強調されるようになった.しかし,この思想が以前の日本でなかったかと言うと,必ずしもそうでなく,市中のいわゆる権威のない病院,医院では,患者第一主義であり,私自身若いときにいろいろと病院をローテーションしたお陰で,われわれ医師は患者に健康を保証する職業であるとの意識がすっかり身についた.同じ大学出身でも大学で勤務するのと,病院勤務医でこうも違うものだと感心したものである.それとともに,むしろ,病院で今も尊敬する人生の師に巡り合うことができた幸運を天に感謝している.
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