Japanese
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特集 ‘息苦しさ’への対応
‘息苦しさ’を理解する
What is 'breathlessness'?
岩田 猛邦
1
Takekuni Iwata
1
1天理よろづ相談所病院呼吸器内科
pp.15-19
発行日 1991年4月15日
Published Date 1991/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414900004
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ポイント
●‘息苦しさ’は‘痛み’と同様自覚症状である.
●‘息苦しさ’をなぜ自覚するのかよく判っていないが,呼吸努力を認識する時に生じるのは臨床的にみても事実である,Pao2の低下は換気の増加を通して呼吸努力を認識させる一つの要因である.しかしそれが‘息苦しさ’のすべてではない.
●上記と同じ理由で換気能力の低下が‘息苦しさ’の要因となる.したがって‘息苦しさ’は換気に関係するあらゆる臓器の障害によって生じ,その範囲はほとんど全科に及ぶ.
●‘息苦しさ’を訴える患者を診る時には問診が非常に大切である.一般外来でよくみられる心因性の‘息苦しさ’を訴える患者は,器質的な‘息苦しさ’と異なり労作時に増強しないのが特徴である.
●救急外来で‘息苦しさ’を訴える患者を診察する場合は,‘息苦しさ’の進行速度と動脈血ガス分析の結果とで入院の適応などを判断すればよい.
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