特集 むくんでいるんです―浮腫とむくみ感の間に
【総論】
手のむくみ
大島 久二
1
,
牛窪 真理
1
,
久田 治美
1
,
秋谷 久美子
1
1独立行政法人国立病院機構東京医療センター膠原病内科
キーワード:
滑膜炎
,
腱鞘炎
,
感染症
,
麻痺
,
リンパ
Keyword:
滑膜炎
,
腱鞘炎
,
感染症
,
麻痺
,
リンパ
pp.116-120
発行日 2014年2月15日
Published Date 2014/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414103109
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むくみは自覚所見であり,実際に腫れていることもあるが,むくんでいると訴えるだけのこともある.医学的には,理学的に圧迫により圧痕を残す「浮腫」と,組織の腫脹はあるが圧迫により圧痕を残さない組織の腫脹(本稿では「むくみ様」とする)を厳密に鑑別していく必要がある.
「浮腫」は,組織の間質に水分が貯留することによりみられる現象である.手の浮腫は,全身疾患として間質の水分貯留をきたす疾患においてみられることがあるが,局所の循環障害や炎症によることもある.また,全身疾患ではあるが手の浮腫が特徴的な病態もある.これらを鑑別していく必要がある.一方,間質の膠原線維の増殖やムチンなどの沈着により皮膚が緊満して「むくみ」のように外観がみえることがある.また,ごく軽度のむくみは身体所見で明らかでないこともあり,自覚所見だけのこともあるが,上記と同様に鑑別していく必要がある.
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